「導体の中に豊富に存在する自由電子が導体内を移動することで電流は流れる」と学校で習った。中学くらいでそう習ったよーな気がするけど、実際は半分正しくて半分正しくない。例として電池と豆電球とスイッチをつないだ電気回路を考えてみる。回路のスイッチを入れると、電池の負極から放たれた負の電荷をもった自由電子がビュンっと一瞬で導体内を通り抜け、豆電球を光らせて電池の正極側に移動。銅線内を自由電子が瞬時(≒光速)に移動するイメージ。
...導体内を自由電子が移動するのは事実だけど、その実際のスピードはカタツムリよりも遅いんだそう。ミクロの世界をイメージすると、確かに導体内を自由電子が駆け抜けるには障害物(原子とか)があまりに多すぎて、真空の中を光が進むのと同等の速度で自由電子が移動するというのは有り得ない気がする。さすがにカタツムリってのは遅すぎるよーな気がするけど、それも確認された事実らしいから面白い。じゃ導体の中を電流はどのように流れているの?
回路のスイッチを入れる前、電池のプラス側は正の電位、マイナス側には負の電位が生じている。開いたスイッチの両端には電池と同じ電位差が生じていて、回路の周りにはそれらを取り巻くように連続的に電場が広がっている。スイッチの接点の間にも電場は形成されているけど、空気が絶縁体となり自由電子は移動することができない。スイッチを入れた瞬間、電場の向きに従って導体内を自由電子が瞬時に同じ方向に移動し始める。自由電子の移動速度は光速でもなく、ビュンっとでもなく、カタツムリよりも遅い速度で動く。
自由電子が動くと同時に電気回路の周りには磁場が形成される。電場と磁場が組み合わさることでエネルギーが伝達され、電球が点灯する。エネルギーを運んでいるのは自由電子ではなく、導体の外側の空間に生じる電場と磁場がエネルギーを運ぶ。電場だけではエネルギーを伝達することはできず、電子が動くことで磁場が形成されて初めて電流が流れる状態となる。自由電子の移動速度はカタツムリ以下だけど、電場は光速に近い速度で伝わるので、スイッチを入れると同時に電球は点灯する。
交流は正極と負極が1秒間に60回切り替わっているだけで、電場と磁場がエネルギーを伝える原理は直流の電池の場合と同じ。エネルギーを伝えるのは電磁波であって、自由電子そのものではないんだよね。電磁波って凄いね、面白い(^^)



