親父が亡くなった。いつかこの日が来るとは思ってたけど、その時は突然やってきた。心筋梗塞で病院に運ばれたのが2週間前。手術は成功し意識も戻り順調に回復しているとの報告を受けて少し安心してたんだけど、土曜日の早朝に容態が急変し循環器不全で帰らぬ人となった。年老いて施設には入りたくないと言っていた親父らしい、ピンピンコロリな最後だった。電話で涙声で言葉に詰まる母の声を聞くと、涙が出てきた。胸が詰まるような、こんな気持ちになったのは初めて。
親父は晴れの日も雨の日も、暑い夏の日も寒い冬の日も畑に出て働いていた。俺が学校から帰ると、いつも畑には働く両親がいた。今思えば15歳の春に実家を出たのは人よりもちょっと早かったけど、希望の高専に合格したのを一番喜んでくれたのは親父だった。大学の編入試験で「尊敬する人は?」と尋ねられ、「父です」と答えた。俺にとって大きな存在だったんだと思う。
炊事や洗濯は母に任せっきりで、親父は何一つ料理もできなかった。残された母のことが心配だけど、母より先に逝った親父は幸せだったと思う。翌日の日曜日が友引だったので、月曜日に親族で送った。俺がベトナムから帰国して間に合うように、土曜日まで頑張ってくれたのかな。



